はじめまして!NUSEEKに新しく加わりました、おかと申します。どうぞよろしくお願いします!
NUSEEKに入社して2ヶ月、ECサイト制作に携わるにあたり「どのような人がどのような目的をもってこのサイトに訪れるのだろう?」と考えることがよくあります。そこで今回は、ECサイトの顧客層についての考え方とポイントについてお伝えします!
「ECサイトを訪れる人」と「商品を購入する人」が異なる
ECサイトを作成する際、サイトを見てくれる人にささりそうな内容やデザインはどんなものだろう?と考えていませんか?
その考えでサイト制作を進めてしまった場合、思うように売上が伸びず「思っていたのとちがう……!」となってしまう可能性があります。
それはなぜか?「ECサイトを訪れる人」と「商品を購入する人」が異なる場合があるからです。
例えば、韓国コスメを購入する場合。
高校生の娘が話題のクッションファンデをECサイトで見つけ、「これ欲しい!」とスマホを母親に見せます。母親は「本当に肌に合うの?」「返品はできるの?」と気になりながらも、最終的には自分のクレジットカードで購入します。
この場合「ECサイトを訪れる人」は高校生の娘、「商品を購入する人」はその母親、となります。
このような状況の場合、「ECサイトを訪れる人」である高校生の娘がいくらその商品に惹かれたとしても、最終的にその商品を購入するのは母親なので、母親が納得しないとその商品は購入されません。

ECサイトの目的はサイトを見てもらうのではなく商品を購入してもらうことなので、商品を購入してもらうために掲載するべき内容やデザインを考える必要があります。
ここからは、 「ECサイトを訪れる人」と「商品を購入する人」が異なる という視点を持った上でのマーケティングの例をご紹介します!
ペルソナ設計を二層化する
「ECサイトを訪れる人」と「商品を購入する人」をそれぞれペルソナとして整理すると以下のようになります。

ペルソナ設計では、一人の人物像を作って終わりというパターンが多いかと思いますが、二層構造で考えることによって最適な表示コンテンツについて考えやすくなります。
また、メールマーケティングやLINE配信にも活用することができ、娘向けには「新色入荷!春の限定カラー✨」のような感情に訴えるメッセージを送り、母親向けには「【期間限定】まとめ買いで15%OFF&送料無料」といった経済的なメリットを前面に出すことで、開封率やクリック率がぐっと上がってくるはずです。
DMU理論を活用し、掲載コンテンツを考える
「ECサイトを訪れる人」と「商品を購入する人」は、それぞれどのような判断軸を持って商品を評価するのか。ECサイトのマーケティングを行うにあたり、DMU理論というものを活用できます。
DMU理論はもともとBtoBのマーケティングで用いられる考え方ですが、toC(消費者向け)のECサイトにも応用できるんです。
DMU理論とは?
DMU(Decision Making Unit)理論とは、企業内での購買意思決定を“複数人によるプロセス”として理解し、影響力のある人物や役割を整理して最適な営業やマーケティング施策を行うための考え方のことです。
とはいってもなかなかイメージが湧かないと思いますので、さっそく先ほどの韓国コスメの例で考えていきましょう。
DMU理論では、購買プロセスに関わる人を「インフルエンサー(影響者)」「デシジョンメーカー(決定者)」「ユーザー(使用者)」「ゲートキーパー(情報管理者)」などに分類します。
今回の例に当てはめると、娘がインフルエンサー兼ユーザー、母親がデシジョンメーカーというわけです。
娘は「SNSで話題」「推しのアイドルが使っている」といった感情的な要素で商品を選びます。一方で母親は「価格は妥当なの?」「本当に安全なの?」「このブランドは信頼できるの?」といった論理的な要素で最終判断を下します。

このように分類を行うことで、それぞれの判断基準を満たすための具体的なコンテンツを考えやすくなります。
例えば、「10代に人気の理由」と打ち出してトレンド感やSNS投稿数、カラーバリエーションを表示すると娘向けの訴求になるし、「保護者が安心できる理由」としてISO認証取得や皮膚科医監修、日本国内検品を表示すると母親向けの訴求になります。
クロスチャネル戦略で二層にアプローチする
ECサイトを訪れる人と購入する人が異なる場合、それぞれに最適なチャネルでアプローチすることが効果的です。これを「クロスチャネル戦略」と呼びます。
先ほどの韓国コスメの例では、娘はInstagramやTikTokといったビジュアル重視のSNSをよく使用すると考えられます。
一方、購入者である母親(購入者)が信頼する情報源はGoogle検索結果やメールマガジン、LINE公式アカウントなどです。この違いを活かして、意図的に異なるチャネルで情報発信を行います。
具体的には、InstagramやTikTokでは娘向けに「新色レビュー」「メイク動画」「学生モデルの使用感」を発信し、商品への興味を喚起します。
娘が「これ欲しい!」と母親に相談したタイミングで、母親は自らGoogle検索をかけます。このとき、検索結果に表示される記事には「敏感肌でも使える理由」「皮膚科医の見解」「返品ポリシー詳細」といった母親が求める情報を充実させておきます。
さらに、LINE公式アカウントでは「保護者の方へ:安心してご購入いただくためのQ&A」といった特設コンテンツを用意し、購買直前の不安解消を図ります。
このように、閲覧者と購入者がそれぞれ利用するチャネルを分析し、各チャネルで最適なメッセージを届けることで、購買プロセス全体をスムーズに進めることができます。
まとめ
今回は「ECサイトを訪れる人」と「商品を購入する人」が異なるという視点から、ECサイトの顧客を二層化するということを紹介しました。
この視点を持つだけでサイトの設計もマーケティング施策も大きく変わってきます。
ぜひ今日からでも、ECサイトで「二層の顧客層」を意識した取り組みを始めてみてください!
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