日本には春夏秋冬があり、「お中元」やクリスマス、セールなど、販促のきっかけは豊富にあります。
ECサイトも季節やイベントに合わせて特集ページを活用した販売促進もすっかり定番化しました。
ただ最近では、「そろそろ特集のネタ切れ…」「毎回似たようなページになってしまう…」といった特集ページ作成でのお悩みもよく耳にします。
そこで今回は、狙ったユーザーを引きつけて売上につなげる特集ページの作り方と、誰でも簡単に作成できる“ノーコードツール”をご紹介します。
目次
「特集ページ」とは?
特集ページとは、テーマ性を持たせて複数の商品を紹介する記事ページのことを指します。
「目的」や「シーン」、「季節」や「悩み」など、ユーザーにとって身近なテーマで構成することで、
自分に合った商品を“見つけやすく”、購入までの導線を“わかりやすく”整える役割を果たします。

実店舗にたとえるなら、「季節のフェア棚」や「ギフト売り場」。
どんな商品を並べてどんなポップを設置しよう、どんな訴求をしていこう、どんな飾り付けをしようと考えますよね。
——そういった売場づくりの考え方を、ECサイト上で再現するのが「特集ページ」です。
商品ページだけでは伝えきれない使用シーンや魅力も、テーマに沿ってまとめることで効果的に届けることができます。
さらに、検索ニーズを意識したキーワード設計を行えば、サイト全体のSEOにも貢献します。
では、ただ作るだけで効果が出るのでしょうか?
ここからは「設計・構成」と「デザイン」の観点から、“効果が出る”特集ページづくりのポイントを見ていきましょう。
ユーザーを導く構成のポイント
1)ターゲットと悩み(インサイト)を明確化
売れる特集ページの鍵は、「誰に」「何を」届けるのかを明確にすることです。
最初に取り組むべきは、ターゲットの絞り込みとその人の“インサイト(本音)”の理解です。
ユーザーインサイトから訴求ポイントへの展開例

ターゲット層
30代後半の女性
▼
求めているもの・悩み
「忙しくても自分の時間を大切にしたい」「年齢に合った自然な美しさを保ちたい」
▼
訴求ポイントの設計
「ワンステップで完結。忙しい朝にも、自然な美しさを叶える1本」
誰に向けた特集なのか? その人の“背景”や“気持ち”に合わせた打ち出しが、選ばれる導線になります。
このように、ターゲットの人物像から悩み(インサイト)を掘り下げて訴求ポイントを設計することで、ユーザーの共感を得やすくなり、商品への関心・購買にもつながりやすくなります。
どんな視点でターゲット設定やインサイトを捉えるべきか、より詳しく知りたい方は、以下のブログでも詳しく紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
ターゲットとインサイトが明確になったら、次はその人がとどまるためのページ設計がポイントです。
2)見出し・ファーストビューで惹きつける
人はページを開いてわずか1秒で「読むかどうか」を判断すると言われています。
だからこそ、特集ページの冒頭には、パッと目を引く見出しとファーストビューの設計が不可欠です。
たとえば、
「大人の肌悩み、パッと解決!」「30代からはじめる、やさしいエイジングケア特集」といったように、ターゲットとその悩みにしっかり寄り添った表現で、ユーザーの共感を引き出します。
見出しを見た瞬間に「これは自分のためのページだ」と思ってもらえるかどうかが、その先のスクロールや商品閲覧につながるかの分かれ道になります。

3)迷わせず「買ってもらう」ための導線設計
特集ページの目的は、最後まで読んでもらうことではありません。
大切なのは、“読んでいる途中で買いたくなる”導線を設計することです。
たとえば、
・ファーストビュー直下にカテゴリリンクを配置(「人気順」「用途別」など複数の切り口で商品一覧にアクセスなど)
・特集の途中にカテゴリリンクや商品リンクを挿入する
・見出しジャンプやバナーで目的の商品へすぐ誘導する
ポイントは、ユーザーが「気になる!」と思った瞬間に、すぐ商品にたどり着けること。
読み進めても肝心の商品が見つけにくいと、せっかくの関心も離脱につながってしまいます。
また、ユーザーにとっては「どれでもどうぞ」と広く提示されるよりも、「この中から選んで」とある程度選択肢を絞ってもらう方が、ストレスなく選べるケースが多いものです。
お客様の悩みやニーズを先回りして想定し、「この中に自分の答えがある」と感じてもらえる設計が理想です。
特にECでは、「読む」こと以上に「買ってもらう」ことが成果につながります。
そのためにも、ページ設計の段階から“選びやすく、買いやすい”導線づくりを意識することが、特集ページ成功のカギとなります。
デザインで“伝わる特集”に仕上げるコツ
1) ターゲットが好むデザインを選ぶ
ユーザーは、“自分に関係のある情報しか興味を持たない”と言われています。
同じ商品を紹介する場合でも、若年層向けならポップで明るい雰囲気に、中高年層向けなら落ち着いたトーンにするなど、
誰に向けたページなのかによって、デザインの方向性を変えることが重要です。

とくに、ファーストビューの印象でページの離脱率は大きく変わります。
「これは自分のための特集だ」と一瞬で伝わるデザインや見出し・画像バナーが、最初のつかみとして非常に大切です。
商品以上に「誰に向けて作られたページか?」が伝わること——
これが、ユーザーの興味を引き、最後まで見てもらえる特集に仕上げる第一歩です。
2) 一貫したブランドイメージにあう色味・トーンを選ぶ
特集で紹介する商品が「やわらかコットンの春ニット」なら、やさしいパステルカラーやナチュラルな色合いのデザインがしっくりきますよね。
このように、デザインの世界観と商品の魅力が一致していると、より“伝わる”ページに仕上がります。
逆に、たとえば高級感を伝えたい商品なのに、赤や黄色など「セール感」の強い配色を使ってしまうと、印象がチグハグになってしまいます。
「よく見るから」「今流行っているから」と安易に取り入れるのではなく、ブランドのイメージや商品の価値に合ったトーンで表現されているかを意識することが大切です。
特集ページは“読まれる”だけでなく、“ブランドの印象に残る”ページでもあります。
そのためにも、配色やトーンの選定は世界観づくりの重要なパーツと捉えて、丁寧に設計していきましょう。
3) ベネフィットを“デザインでも”伝える
商品の魅力を伝えるうえで大切なのは、スペックや特徴だけではありません。
ユーザーがその商品を手にした「先の未来」——つまり、ベネフィットをイメージさせることが重要です。
マーケティングの世界では、アーカーの「ベネフィット3分類」という考え方があります。
これは、商品・サービスがユーザーにもたらす価値を3つに分けて捉えるものです。
ベネフィットの種類 | 機能的ベネフィット | 情緒的ベネフィット | 自己実現ベネフィット |
---|---|---|---|
内容 | 商品の特徴・性能 | 心地よさなどの感情面の価値 | 自己表現・「ありたい自分」に近づける価値 |
例)スキンケア商品 | 時短で潤う。 1本でスキンケア完了 |
毎日がちょっと好きになる。 癒される香り |
自然体な美しさで、 自信がもてる自分へ |
その商品が“自分の人生にどんな嬉しい変化をもたらしてくれるか”を伝えることが、選ばれる理由になります。
特集ページでは、こうしたベネフィットをコピーだけでなく、写真や構成、トーンなど“デザインでも表現する”ことで、より伝わりやすくなります。競合と似た商品を扱っていても、「誰に、どんな未来を届けたいか」が明確なら、ページの印象も価値の伝わり方もまったく違ってきます。
お客様の目線に立って、“この商品を手にしたら、こんな自分になれる”という“未来のイメージ”を自然に描ける設計を心がけましょう。それは単なる購買意欲の向上だけでなく、ショップや商品への安心感・信頼感にもつながっていきます。
“欲しくなる”特集テーマの考え方
ここからは、特集ページのテーマをどう設計すれば「欲しい!」と思わせるか、そのヒントとなる切り口例をご紹介します。
特集ページのテーマを決めるときは、ユーザーが「これ、自分に必要かも」と思える“身近な視点”を意識することが大切です。
まずは扱う商材とユーザー像をしっかりと理解し、「どんな気持ちのときにこの商品を手に取るか?」をイメージしてみましょう。以下は、具体的な切り口パターンとその狙いです。
切り口・テーマ | 具体例 | ポイント |
---|---|---|
季節やイベント | お中元、母の日、梅雨対策 | 「今買う理由」を訴求。スケジュールや配送情報など細かいことも説明可能 |
お悩み解決型 | 着痩せ特集、乾燥対策アイテム | 悩みを解決できる商品や使い方を紹介。キーワード選定が重要 |
ターゲット別(年齢・性別・職業) | 30代女性向けギフト、パパ向け時短グッズ | シーンをイメージして“自分ごと化”して深い共感へ繋げる |
色や素材 | 春のパステルカラー特集、やわらかコットン | ブランドの世界観を統一しながら、ビジュアル的に訴求 |
スペック訴求型 | 防水・撥水アイテム、機能性素材 | 専門用語や数値で信頼感・説得力をプラス |
セール・期間限定 | タイムセール、クーポン付き | 緊急性・お得感で行動を後押し |
特集テーマは、「商品をどう紹介するか」ではなく、「どんな視点から届ければ響くか」が鍵です。
そのためにも、まずはユーザー像を明確にし、「その人の“今”に寄り添う」テーマ設計を意識していきましょう。
まとめ “伝わるデザインと設計”で特集の成果を最大化するために
特集ページの成果は、「何を伝えるか」だけでなく、「どう見せるか」でも大きく左右されます。
中でもデザイン面では、ターゲットが好む世界観やイメージに合わせたトーン&マナー(色味・写真・装飾など)の統一が、ページ全体の信頼感や説得力につながる大切なポイントになります。
また、設計面では、ユーザーが迷わず商品にたどり着ける導線づくりが欠かせません。
ただ“読む”のではなく、“欲しくなる”“選びやすい”流れを意識しましょう。
そして最後に、スペックや機能だけでなく、“買ったあとの未来”をデザインやコピーにも落とし込むこと。
それが、ユーザーの感情を動かし、「この商品、欲しい」と思ってもらえる特集ページへとつながっていきます。
おまけ ノーコードツールで特集ページをサクサク運用
NUSEEKが提供するノーコードツールを使えば、HTMLなどの知識がなくても、誰でも簡単に特集ページを作成できます。
「手が回らない」「デザインに自信がない」——そんなお悩みをお持ちのご担当者さまでも、誰でも手軽に“伝わるページ”を作れるのが、ノーコードの大きな魅力です。
「そろそろ特集を強化したい」
「もっと更新しやすい販促体制をつくりたい」
そう感じたタイミングが、はじめどきです。
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特集ページの制作や更新に悩んだら、まずはツールの活用から。
機能の詳細については、以下のリンクよりご覧いただけます。
ご興味をお持ちの方はぜひチェックしてみてください。